Pc-Trace

<< 2024年11月 >>
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30






Pc-Trace
PC-Trace

2014年10月の記事
10/28(火)
画像ファイルがあります 添付ファイルがあります
10/26(日)
画像ファイルがあります 添付ファイルはありません
10/24(金)
画像ファイルがあります 添付ファイルはありません
10/23(木)
画像ファイルがあります 添付ファイルはありません
10/19(日)
画像ファイルがあります 添付ファイルはありません
10/18(土)
画像ファイルがあります 添付ファイルはありません
10/13(月)
画像ファイルがあります 添付ファイルはありません
10/02(木)
画像ファイルがあります 添付ファイルがあります
>>2014年10月の記事一覧

SketchUp7と8

覚え書きの動画の中で、時折、画面に違和感を感じられていた方に対し、今更ながらの後書きになってしまうが、これは作業内容によって7と8を使い分けていたからに他ならない。

ちなみに、SketchUp7での「面スタイル」はSketchUp8ではただの「スタイル」に変更されており、ツールバーにも以下の違いが見られる。

 (SketchUp7)

 (SketchUp8)

SketchUp8ではX線モードの横に隠れ線モードのアイコンが一つ増えているのでバージョンを知る一つの手がかりになる。

DXFファイルの読み込みについて
SketchUp8では標準でdwg、dxfファイルをインポートする機能が付いていないため、「FreeDXF」をプラグインして利用しているが、フォルダ名やファイル名に日本語が使えないや、取り込むファイルをディスクトップ上には置けないなどの色々な制約があり、DXFファイルの取り込みについては専らSketchUp7を利用している。
jw_cadで保存したファイルを読み込んだ際に寸法数値が表示されない(個人的?)ようだが、取り込み時にスケール単位を指定する事が出来、支障なく利用できている。

SketchUp7のバージョンについて
現在利用しているSketchUp7のバージョンは以下の通り。

これは、googleからSketchUp7Proがダウンロードできた最後のバージョンだと思われるが、Pro版の試用期限を過ぎてフリー版に変わった時点でAutocadの(dwg、dxf)ファイルのインポート機能が外され、使用できなくなってしまった。

その後、SketchUp7のフリー版化に伴い、これまで通りdwg、dxfをインポート出来るようにするためのシステムが存在する事を知り入手。
現在はそれをインストールして利用している。(この記事の下に添付)


様々なサイトから色々フリーのものが配布されているが、最近ではオプトイン形式に対する問題も存在するため、Vector(ベクター)や、窓の杜以外からの入手は用心している。(安易なインストールを試みて、幾度か痛い目にあった経験がある。)



SketchUp7で残念なのはブーリアン演算のできる「OSCoolean」プラグインが使用出来ない事。


SketchUp8でも「sketchyphysics」との干渉(過去記事に記載)がみられ、使用する際は以下のように「sketchyphysics」を無効にして使用している。


添付ファイル 添付ファイル


小欄間

筬狭間に続き、角木弧(かどもっこ)タイプの欄間。
仏壇などに利用される、比較的小型の欄間だが、こちらは組子ではなく、花鳥や天人などの彫刻が収められる。

SketchUpでの作業は図面を下地に10分足らずで完了する。
動画での作業風景は基本をしっかり踏まえたものではないので、参考程度に。

木弧(もっこ)の部分が独立して加工される理由は、左右と上下の枠框を一種類の長材で済ませるための知恵。
モッコの形状は金具に合わせて加工される。








筬狭間

先日に引き続き、組子を菱型に組んだSketchUpの組み立てモデルから。
単純構造ゆえに特に追記する事はないが、親碁と呼ばれる組子を収める四角い太枠とセットで組み立てられ、欄間枠に入れる。
欄間枠から見える親碁の見え面は組子と同じ幅以上になるよう設計される。

組子・相欠き加工図

組み立て完成図

コーナー拡大図

ガクガクな動画で申し訳ないが、組み立てと展開拡大図。




仕口(ネタ)

図面は畳一枚ほどの大きさの框枠に、組子を菱型に配置した寺院用の筬狭間。

筬形の欄間は、一般的には組子を縦に櫛状に配置したタイプのものが馴染みがあるが、菱型の組子配置は意匠として新しい。
組み立ての際は、組み合わせ部分の切り込みに割裂が生じやすいため細心の注意を要する。

比較的粘りのある材を用いて挽き割るが、組み立て前の単部材の状態で、ガサツな取り扱が原因で幾度か割ってしまい、現場を困らせた経験がある。
恐ろしく歩留まりの悪い構造(組子を編んだ状態を見た人でないと分からない)になるが、菱型には単純さの中で生まれる造形美としての魅力がある。

※欄間枠に合わせて上下を切り揃えているCG。実際の作業と同じ絵になる。
如何に歩留まりが悪い加工になるかが見て取れる。

欄間枠の組構造は、ごく一般的な「面腰ホゾ」と呼ばれる仕口構造となる。
銀杏面を施す場合もあるが、図面は角面タイプの腰ホゾ。





経キン台・全体モデル

完成した経キン台の全体図。

経キン台のサイズは乗せる鈴に合わせて規格があるが、飾り金具を打つタイプのものが多く、デザインだけを優先して厚みや形状を自由に変えるのは難しい。

今回モデリングした経キン台は、抜き形のデザイン以外、近代機械の加工に適した組構造と板厚で設計しており、厚みやそれに伴う形状は金具との兼ね合いも考慮している。

もし、まったく新しいタイプの新型を生み出そうと思えばサイズや構造以外にこれ等(金具のサイズ、文様、厚み、下地や塗り、仕上げの仕様など)の打ち合わせが不可欠となる。





SketchUpでのモデリングはJw_cadで設計する時間に比べ、圧倒的に短くて済む。
これはLightWaveなどでは考えられないほど短い。
とは言え、モデリングだけに特化した場合の話で、高度な利用になると様々な知識とプラグインの力が必要になりそうである。


経キン台・上台(下台、共鳴枠、撥返し)

モデリング手順は前記事とまったく同じにつき省略。

リン台の一番下の台。
畳摺りとなる部品。



鈴を直接乗せる台。
框枠の中心に共鳴用のホールが開いおり、中は空洞になっているが音に与える影響については不明。
強度が必要になるため、このサイズではかなり厚めの乗せ板となる。



撥返し枠。
ゆるい接円弧の勾配がデザインされている。
経台の筆返しと似た形状の四面枠で、撥を置いた際に転がり落ちるのを防ぐための枠。



経キン台・こうべ板

経キン台でこうべ板とか、勾配板と呼ばれるパーツで、最も時間を要する部品となる。

前回とほぼ同様の手順で進められるが、曲面勾配の付いた形状では少し工夫がいる。

後で1/4に切り離す事を考慮し、フォローミーでひと繋がりに加工した後は45度にあたるコーナー部分を一周するよう、線を漏らさず書き加えておく必要がある。

手順が悪いためシドロモドロの操作だが、それでも作業時間は10分程度で完了する。




●図面と重複した寸法線が思わぬミスを招かないよう、予めjw_cadの段階で寸法線と補助線を削除して読み込んだ。


経キン台・束柱(支柱)

経キン台の四本の支柱となる束柱(つかばしら)の制作。

これも単純な構造なので、モデリングに必要な断面と寸法以外はすべて削除し、前回と同じくDXF形式で保存する。

【jw_cadで元図の不必要な部分を削ぎ落として保存】



【SketchUpにDXFファイルを取り込み、下の手順に従って束柱を完成させた。】




経キン台・壺繰り抜き型

経キン台、最初の制作は壺繰の抜き形。

図面の条件となるのは、抜き形の周囲に深さ2ミリ×幅3ミリの角面(かくめん)を付ける事と、四方に差し込むための溝加工を施す事の二点。

作業手順として
(1)..jw-cadで作図した図面をSketchUpに必要となる要素だけ残し、dxf形式で保存。(今回は三面図をそのままの読み込み、不要になった時点で削除)
(2)..インポートしたdxf図面の尺度が合っていれば完成まで厚みを付けていく。

※ここで重要になるのが、抜き型となる閉じた図形に穴が開いていない事と、接円弧の接点(交点)は一点である事の二点。
もし、うまく面が貼れない場合、この二つを調べる必要がある。




モデリングについては方法も手順も人それぞれだと思うが、SketchUpではこの程度の図面だと3分もかからず作業が完了する。


経キン台・モデル

下の画像は、Windows95が出始めの頃、3Dモデル用ソフトとしてsoftF/Xを購入してモデリングしたもの。
(上が一尺、下が1.3尺のもの。抜き型のサイズが微妙に異なる)
今回、出来上がりが同じものになるが、勉強を兼ねてもう一度図面の段階からSketchupでモデリングしてみる事にした。







経キン台・図面(準備1)

経キン台(カナ部分は文字が化けるため)製作に用いる図面。
正面図と側面図が同一に現れるため、平面と側面の二面あれば制作が間に合う。
用意するのは以下の6枚のみ。
一見、面倒そうな図面でもよく見ると単純な部品を複数集めて構成している場合が多い。

※前回と同じ理由で寸法値をjw_cad内でnの文字に一括変換して表示。
(とは言え、多少の配慮もSketchUpの中では伸縮自在の加工が出来るためあまり意味をなさない。)












OScoolean演算の実践

また過去記事の追記になってしまうが、「OScoolean」プラグインでブーリアン演算した場合の実践動画(SketchUp7では動作しないため、SketchUp8専用のプラグインなのか不明。)。
メニューパレットの右側から順に、実行してみた。

個人的にはマウス右クリックで実行できる「面を交差」→「モデルと交差」で作業が間に合ってきたため、特にこのプラグインの必要性を感じる事は無かった。
ただ、カットした後の面を張る作業が軽減されるため、便利。
操作上の注意点は主に二つで、

(1) 作業前に、立体化したオブジェクトをその都度、グループ化しておく事。
(2) 求める結果は、指定していくオブジェクトの順番で決まるため、複数のオブジェクトがからむ場合、最初の選択が重要。

※実行後、カットされた面は反転するため、必要があればグループを解除(「分解」)した後、面を反転して整える必要がある。



---------------------------------------------------------------

次の3D化・目標(経キン台)図面
(※伝統的な基本形を元に、機械加工に適した木取りや構造に変えて設計したPc-Traceのオリジナル図面ですが、繰形など一部変更を加え、現在でも多くの仏壇店や、木地屋で製作されているため、図面寸法は省略します。)


今回利用したプラグイン
添付ファイル 添付ファイル